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いつまでも小林さんを目標に-快资讯

日期:2023-05-20 20:04:36 来源:哔哩哔哩

出処:小林七郎画集 空気を描く美術 89~91ページ

作者:男鹿和雄

アニメーションの美術で小林さんを語る時、挙げられるのは、人一倍豊かで個性的な画の表現力と優れた指導力だと思います。


(资料图片仅供参考)

テレビアニメーションの前世紀が始まる頃から、小林プロダクションでもシリーズ物を次々と手がけることになります。一連の作品の美術監督を務めることになる小林さんは、それぞれの作品で、新しい様式に挑戦しながらも、限られたスケジュール内で仕事を消化していかなければならないために、常に省略と強調を基本とした背景の描き方に取り組んでいました。また、当時の小林プロの社員は、僕も含めて経験年数の少ない人達ばかりでした。そういった若い連中に、一定レベルの背景を速く描いてもらうためにも、簡潔で魅力ある美術ボードや、明確な説明による指導法を模索し続けていましたね。

それまでのアニメーションの背景は、ポスターカラーの厚塗り的なものが多かったようでしたが、東京ムービーの新作の「ど根性ガエル」で小林さんが描き始めた薄塗りの画面に色エンピツの線を加えた描き方は、軽快なタッチのキャラクターにピッタリ合って、スピード感のある新しいタイプのアニメーションになったなあ、と思いました。これは、その後の小林プロの美術の大きな特徴の一つになり、さらには、テレビアニメーション全体にも影響を与えることになったと思います。

小林さんがカーボン紙を使って原図を写し取ればいい、と言い出したのも、この頃からだったと思います。

それまでは、鉄筆で強く原図の上をなぞることによって画用紙についた見えにくい溝をたよりに背景を描いていましたが、カーボンの線が見えることによって、地塗りの段階で色の塗り分けが楽になり、より能率が上がりましたね。

それに、線を生かそうとした背景ですから、カーボンの線も、効果的なものは、消さなくても、そのまま残せばよいと。

この作品でもう一つ印象に残っているのは、木の梢の葉のかたまりを、カエルの掌を連想させるような形にして、「ど根性ガエル」の特徴にしていたことです。

もっとも、これは初期の頃だけだったような······。

その後の「元祖天才バカボン」では、バカボンのパパの鼻毛を連想させる線のタッチを壁の隅などに入れていましたね。

それと、バカボンのキャラのようなふくらみのある形を絵に取り入れることなどで、マンネリにならないよう常に新しい美術の方向を考えていたんでしょうね。

「ギャートルズ」では、小林さんは、園山俊二さんの漫画の絵をえらく気に入っていました。ピカソの絵のように優れていると言いながら、 気に入った形や、線のタッチを積極的に背景に取り入れていました。

岩の陰の部分をあらわす×(パツ)をずらして重ねたようなタッチの入れ方など、原作にあるのを研究し、雲のカゲなんかにも使ったりして、いろいろ応用していました。地平線に向かって一直線に伸びる雲は、小林さんの創作だったと思うんですが、最初に見た時はビックリしたけれど、あれによって、果てしない大地の広がりがよく出ていましたね。それにもちゃんと××の影が入っていて。

僕が特に思い出深いのは、草原の草を表現する時の線の入れ方です。七、八本の短い線を、地面から放射状に描いてしまえば、一株だけの草にしかならないところを、同じ数の線でも、角度をたがいちがいにしたり、根元を上下にずらしたりすることによって、よりたくさんの草の集団になると教えられました。が、なかなかうまくできずに悩みました。特に最後の一本の線をどう入れるかは、むずかしかったですね。

このことは、その後の僕にだいぶ影響を与えてくれまして、自然物の集団のものを描く時に、その距離に応じて、できるだけ簡単に処理しなければ、と考えるようになったのは、この頃からです。

僕にとって、 小林プロで経験した仕事の中で一番好きな作品は、やはり何といっても「ガンバの冒険」です。これは、芝山(努)さんの魅力たっぷりのレイアウトに支えられながらも、出崎(統)さんの演出や、椛島(義夫)さんのキャラクターのおもしろさに引き込まれるようにして、小林さんの美術も、より自由で大胆なタッチで描かれました。背景を描いていて、本当に楽しかったですね。

ここでも小林さんはかなりの数のボードを兼ねた背景を描いています。次々と描き出されるボードの中に、ネズミの視点で捉えた岩や鉄などの荒々しく力強いタッチがあるかと思えば、その側にある草花は、しなやかでのびのある描写で、真似しようにも、とても一朝一夕ではおよばない力量の違いを感じさせられました。

この作品で学んだことは、数え上げたらキリがありませんが、主なものでは、レイアウトの大切さと、大胆で勢いのある絵を描くためには、確かな描写力を身につけなければならないという思いでした。

また、いざ簡潔に表現しようとしても、なかなか簡単にできるものではありません。時間をかけて描き込んだ密度の濃い絵にも、力のあるよい絵がありますが、アニメーションの背景という範囲で考えれば、限られた時間内で描かなければならないし、そういう職人技が必要だと僕は思っています。

そのためにも、スケッチを重ねて、対象物の本質を熟知しなければいけませんね。小林さんはそういうことをとことんやってきた方だと思います。二十五年以上も前に描かれた「ガンバの冒険」などの背景は、今見ても、ちっとも古く感じないで、むしろ、新鮮にさえ見えます。それはやはり、確かな描写力に裏づけされた自信のもとに、勢いのある絵を一気に描いているからに違いありません。

様式こそ変わりながらも、最近の作品でも、簡潔さと勢いが変わらずにいるのは、やはりすごいことだなあと思いますね。

ものごとの表現や、準備の段階でさえも、どんどん複雑になっている今、改めて、小林さんの絵のような、原点に近い部分を見直して、単純明快な描写力を蓄えた上で、そこから自分の表現したい方向を探っていくのも、大切なことではないでしょうか。

○  よい絵を描こうとする前に、恥ずかしくない絵を描けるようになれ。

○  子供達に見せるのだから、貧しい絵を見せちゃいけない。豊かな絵を描かなければ。

○  輝きのある絵を描きたいね。

○  勢いのある絵でなければ。

○  壁にぶち当たった時は、基本にもどって考え直せ。

○  絵は描く人間の性格が出るから、きちんと指導しようと思えば、どうしても相手の性格に踏み込まざるを得ないんだ。

僕はもの覚えの悪い方なので、すぐに出てくるのはこれくらいですが、右の言葉は、全て小林さんが話してくれたもので、今でもよく覚えています。

六番目の言葉は、僕はなかなか実行できなかったので、よい指導者にはなれなかったのですが、小林さんは、そこのところは徹底していて、厳しく、はっきりと指摘してやらないと、解決の糸口はつかめないんだと言っていました。

そのために、すぐやめていく人もいましたし、長く続いた人もなかなか打ち解けられないでいましたね。それを承知の上で、小林さんは、我々にはっきりとものを言ってくれていたのだと思っています。

そういうことに耐えられるくらいの強い気持ちがあってこそ上達できるもんだと。

小林さんは、超大ベテランにもかかわらず、いまだに第一線で頑張っておられます。この上ない安心感があります。ご自分では、だいぶ丸くなったよ、と言っておられますが、我々小林プロのOBから見れば、まだまだ厳しい言葉を投げてもらった方が、何クソッといった発憤材料にもなりますので、少しでも長く現役を続けていてほしいと思っています。

今でも僕は、絵を描きながら、小林さんがこれを見たら何と言うだろうと考えることがあります。自由で大胆、省略と強調、そんな中に、本質をしっかり捉えている小林さんの美術を、いつまでも目標にしていきたいですね。

男鹿和雄おが · かずお

1952年2月21日、秋田県生まれ。1972年小林プロダクション入社。「樫の木モック」(TV)で初めて背景を手掛ける。「ど根性ガエル」(TV)「侍ジャイアンツ」(TV)「パンダコパンダ雨降りサーカス」(劇場)「はじめ人間ギャートルズ」(TV)等で背景、「ガンバの冒険」(TV)で美術設定を担当。一度小林プロを退社するが、「家なき子」制作のために小林プロに戻る。「家なき子」(TV)「宝島」(TV)「あしたのジョー2」(TV、劇場)等で美術設定、美術監督補佐、美術等を担当した後、「コブラ」(劇場)を最後に再び小林プロダクションを退社する。その後、「幻魔大戦」「妖獣都市」「となりのトトロ」「おもひでぽろぽろ」等、劇場作品で美術を担当して今日に至る。

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